カスタム計算式設定

カスタム計算式設定


カスタム計算式設定は、特定のPL科目・KPI(科目)の予算値・見込値などを、予め設定した独自の計算式によって作成する機能の設定画面です。
期別マスタ >> カスタム計算式設定

1. 事前準備

1.1. 科目マスタ設定

カスタム計算式の計算結果を登録するためのPL科目、もしくはKPI科目を登録します。
詳細は、科目マスタ設定を参照ください。

1.2. 科目体系設定

カスタム計算式登録用の科目を、科目体系に組み込みます。
詳細は、科目体系設定を参照ください。

1.3. 科目別登録方式設定

カスタム計算式登録用の科目を使用できるように、登録方式を設定します。
詳細は、科目別登録方式設定を参照ください。

カスタム計算式の対象とするには、以下の登録方式を選択してください。

PL科目

① 計算|カスタム計算式|組織別
  科目・組織の金額で、計算結果を格納する。
② 計算|カスタム計算式|セグメント別
  科目・組織の内訳として、セグメント単位で計算結果を格納する。

KPI科目

① 計算|カスタム計算式|組織別
  科目・組織の数字で、計算結果を格納する。

2. カスタム計算式設定の手順

2.1. メイン画面



● 業務・期間の選択
 メンテナンス対象となるカスタム計算式の業務・期間を選択します。
(1) 業務
 「予算策定」、もしくは「予実管理・着地見込」を選択します。
(2) 期間
 「予算策定」の場合は、対象となる年度・予算バージョンの期間を選択します。
 「予実管理・着地見込」の場合は、対象となる年度・実績月の期間を選択します。

● カスタム計算式の基本情報を入力
 カスタム計算式の下記項目を入力します。
(3) 名称
 カスタム計算式を識別するための名称を入力します。
(4) 計算グループ
 1~5のグループ単位で段階的に計算処理が実施されますので、計算結果を使った計算式を定義する場合に、グループを分けて計算式を定義します。
(5) 組織
 計算結果を格納するための組織を入力します。
(6) 科目
 計算結果を格納するための科目を入力します。
(7) セグメント
 計算結果を格納するセグメントを入力します。
 科目別登録方式設定で、「計算|カスタム計算式|セグメント別」を選択した科目のみ、入力可能です。
(8) 計算式
 設定されている計算式が表示されます。
 ここでの直接編集は行えません。「編集」ボタンを押下したり、セルをダブルクリックすることで、後述の計算式エディターを開きます。
(9) 備考
 カスタム計算式の備考として、ご自由にお使いいただける欄です。

必要な項目に登録ができたら、忘れずに保存ボタンをクリックしてください。

2.2. 計算式エディター


計算式を編集するための画面です。
計算式を入力する計算式エリアと、計算式の機能を参照できるリファレンスエリアに分類されます。

保存ボタンをクリックすると、計算式が変更され、メイン画面に戻ります。
キャンセルボタンをクリックすると、計算式エディターを開いてからの編集がキャンセルされ、メイン画面に戻ります。

2.2.1. 基本操作

● 計算式エリアの基本操作
 計算式エリアは、一般的なテキストエリアと同様に、キーボードによる直接入力が可能な他に、コピー・ペーストなどの操作が可能です。

計算式を編集すると、一定時間で数式のチェックが自動で行われ、その結果が計算式エリアの右上に表示されます。


数式エラーがある場合、計算式の保存ができません。

● リファレンスエリアの基本操作


リファレンスエリアは、大きくカテゴリエリア・要素エリア・詳細エリアに分類されます。

(1) カテゴリエリア
 参照したいカテゴリをクリックすると、カテゴリに属する要素が、要素エリアに表示されます。
 親のカテゴリをクリックすると、サブカテゴリに属するすべての要素が、要素エリアに表示されます。

(2) 要素エリア
 参照したい要素をクリックすると、選択要素についての詳細情報が、詳細エリアに表示されます。
 また、上部の検索ボックスに入力すると、要素が絞り込みされます。

(3) 詳細エリア
 選択要素の詳細情報・使い方などのリファレンスが表示されます。
 また、追加ボタンをクリックすると、計算式エリアの現在のカーソル位置に、要素が挿入されます。

● クイックリファレンスの基本操作

クイックリファレンスをクリックすると、計算式エディターの簡易操作説明が表示されます。
エリア外をクリックすると、説明が非表示になります。

● ショートカット
 計算式エディターでは、以下のキーボード ショートカットを使用できます。

キー

説明

Ctrl + S

計算式を保存し、計算式エディターのダイアログを閉じます。

Esc

計算式の編集をキャンセルし、計算式エディターのダイアログを閉じます。







2.2.2. 計算式の入力

ダイアログ上部の計算式エリアに、直接キーボード入力することができます。

日本語入力の場合、数値・アルファベット・記号を全角入力してしまうと、認識されず数式エラーになってしまうため、ご注意ください。

2.2.3. 科目の入力

カスタム計算式の指定組織に対する科目の値を、計算式の要素として使用することができます。

(1) 直接入力

@を入力すると、科目選択の入力補助が表示されます。そのまま続いて科目コードや科目名を入力すると、入力補助上の科目が絞り込まれます。
そのまま矢印キー上下で、科目の選択を切り替えることができます。


入力補助表示時に、キーボードの矢印キー上下を押すことで、絞り込まれた科目を選択することができます。さらに、キーボードの矢印キー左右を押すことで、対象期間を選択することができます。



Enterキーを押下すると、選択中の科目を計算式に入力することができます。

入力補助をキャンセルしたい場合は、Backspaceキーを押下して@を消去したり、Escキーを押下したり、マウスクリックによってカーソル位置を移動させることで、入力補助を閉じることができます。
(2) リファレンスエリアから入力
 科目の入力は、リファレンスエリアからも可能です。
 はじめに、計算式エリアで科目を挿入したい場所に、カーソルを合わせます。

リファレンスエリアから、PL科目またはKPI科目をクリックすると、メイン科目体系に従って、科目が表示されます。
対象科目をクリックすることで、対象期間のボタンが表示されます。
対象期間のボタンを選んでクリックします。


期間選択のボタンを選択すると、計算式エリアのカーソル位置に科目が挿入されます。

2.2.4. 演算子の入力

演算子は、式で実行する計算の種類を表す記号です。
カスタム計算式では、算術演算子・比較演算子・論理演算子をサポートします。
比較演算子や論理演算子は、後述するIF関数などで使用します。

● 算術演算子

演算子

名称

説明

+

加算

左辺の値と、右辺の値を加算した値を返します。

-

減算

左辺の値と、右辺の値を減算した値を返します。

*

乗算

左辺の値を、右辺の値で乗算した値を返します。

/

除算

左辺の値を、右辺の値で除算した値を返します。

%

剰余

左辺の値を、右辺の値で除算した時の余りの値を返します。

^

べき乗

左辺の値を、右辺の値でべき乗した値を返します。


● 比較演算子

演算子

名称

説明

=

等しい

左辺の値と、右辺の値が一致する場合はTrueを返します。
それ以外はFalseを返します。

!=

等しくない

左辺の値と、右辺の値が一致しない場合はTrueを返します。
それ以外はFalseを返します。

> 

大なり

左辺の値が右辺の値より大きい場合、Trueを返します。
それ以外はFalseを返します。

>=

大なりイコール

左辺の値が右辺の値より大きい場合、または等しい場合、Trueを返します。
それ以外はFalseを返します。

< 

小なり

左辺の値が右辺の値より小さい場合、Trueを返します。
それ以外はFalseを返します。

<=

小なりイコール

左辺の値が右辺の値より小さい場合、または等しい場合、Trueを返します。
それ以外はFalseを返します。


● 論理演算子

演算子

名称

説明

&&

論理積(AND)

左辺の値と右辺の値がともにTrueの場合、Trueを返します。
それ以外はFalseを返します。

||

論理和(OR)

左辺の値と右辺の値のどちらかがTrueの場合、Trueを返します。
それ以外はFalseを返します。


2.2.5. 関数の入力

関数は、与えられた値に対して、定められた処理を行って結果を返す機能です。
カスタム計算式では、以下の関数をサポートします。

(1) 端数処理
 ①四捨五入
  指定された数値を四捨五入して返します。
 <書式>
  ROUND( arg1, arg2 )
 <引数>

引数

説明

arg1

数値

端数処理を行う対象の値を指定します。

arg2

数値

端数処理後の小数部桁数を指定します。
整数にする場合は、0を指定します。
負の数を指定すると、整数部が端数処理されます。


 ②切り捨て
  指定された数値を切り捨てして返します。
 <書式>
  FLOOR( arg1, arg2 )
 <引数>

引数

説明

arg1

数値

端数処理を行う対象の値を指定します。

arg2

数値

端数処理後の小数部桁数を指定します。
整数にする場合は、0を指定します。
負の数を指定すると、整数部が端数処理されます。


 ③切り上げ
  指定された数値を切り上げして返します。
 <書式>
  CEILING( arg1, arg2 )
 <引数>

引数

説明

arg1

数値

端数処理を行う対象の値を指定します。

arg2

数値

端数処理後の小数部桁数を指定します。
整数にする場合は、0を指定します。
負の数を指定すると、整数部が端数処理されます。


(2) 集計処理
 ①最大値
  指定された数値のうち、最大値を返します。
 <書式>
  MAX( argN... )
 <引数>

引数

説明

argN

数値

値を1つまたは複数指定します。


 ②最小値
  指定された数値のうち、最小値を返します。
 <書式>
  MIN( argN... )
 <引数>

引数

説明

argN

数値

値を1つまたは複数指定します。


 ③平均
  指定された数値の平均を求めます。
 <書式>
  AVG( argN... )
 <引数>

引数

説明

argN

数値

値を1つまたは複数指定します。


 ④合計
  指定された数値の合計を求めます。
 <書式>
  SUM( argN... )
 <引数>

引数

説明

argN

数値

値を1つまたは複数指定します。


 ⑤件数
  指定された数値の件数を求めます。
 <書式>
  COUNT( argN... )
 <引数>

引数

説明

argN

数値

値を1つまたは複数指定します。


(3) 論理関数
 ①IF
  論理式の結果に応じて、指定された値を返します。
 <書式>
  IF( arg1, arg2, arg3 )
 <引数>

引数

説明

arg1

ブール型

論理式を指定します。

arg2

全ての型

条件が適合する場合の、結果の値を指定します。

arg3

全ての型

条件が適合しない場合の、結果の値を指定します。


 ②SWITCH
  値の一覧で式を計算し、最初に一致する値に対応する結果が返されます。一致しない場合は、任意の既定値が返されます。
 <書式>
  SWITCH( arg1, argN-2..., argN-1..., argN )
 <引数>

引数

説明

arg1

全ての型

式を指定します。

argN-2

全ての型

式に対して、比較する値を指定します。

argN-1

全ての型

値が一致した時に返される値を指定します。

argN

全ての型

一致する項目が見つからなかった場合の、既定値を指定します。


 ③ISNULL
  指定された値がNullの場合、既定値を返します。値がNullではない場合、指定された値をそのまま返します。
 <書式>
  ISNULL( arg1, arg2 )
 <引数>

引数

説明

arg1

全ての型

値を指定します。

arg2

全ての型

値がNullの場合の、既定値を指定します。



2.2.6. 環境変数の入力

環境変数は、カスタム計算式実行時の状況を取得して、様々なロジックに利用することができます。
環境変数は、リファレンスエリアからのみ、計算式に追加することができます。

カスタム計算式では、以下の環境変数をサポートします。

 (1) 期間

名称

説明

年度

現在処理中の年度を取得します。

現在処理中の年を取得します。

現在処理中の月を取得します。

月数

年度の開始より、経過した月数(1始まり)を取得します。



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